朗報です。タン・ウェイが、桜坂劇場のスクリーンに帰ってきます。
ご記憶でしょうか? 2007年、厳格な貞操観念を持つ国で、その濃密な官能表現が問題視されながらも、切なすぎる恋物語で観客の涙を搾り取り、映画界どころか世界を凌駕(りょうが)した名作「ラスト、コーション」を。
そのヒロイン役を1万人の候補者の中から勝ち取ったのが、当時新人だったタン・ウェイ。もちろん容姿端麗。ただ、容姿だけでは説明のつかない特別な魅力が彼女にはあった。心を奪う女優だった。なのに彼女は姿を消した。理由はネット上にあふれているので割愛します。そんな彼女に再び出会えるのが本作。
「彼女は実在するのだろうか?」記憶の中の美女に恋い焦がれ、現実と幻想の間を行き来する男の心象風景を、美しい映像でつづった中国映画。幻想の美女を演じるのがタン・ウェイ。タン・ウェイに見とれ、タン・ウェイに焦がれ、タン・ウェイにおぼれる。再び彼女を映し出す重要任務を前に、桜坂劇場のスクリーンもうれしそうです。
(桜坂劇場・下地久美子)