7日投開票の県議選は4日、最終盤の「三日攻防」に突入した。無投票当選が決まったうるま、浦添、名護、石垣の4市区を除く9選挙区で52人が激しい選挙戦を展開する。新型コロナウイルス対策や基地問題、県政評価などを争点に与党と野党、中道の勢力がしのぎを削る。琉球新報社は独自の取材などから最終盤の選挙区情勢を分析した。 (文中敬称略、名簿は届け出順)
【中頭郡区】東側で争奪戦激しく
7人が5議席を争う中頭郡区は、選挙区西側から出馬した現職3人が地元の支持を順調に固める。東側の現職1人、新人3人は票の争奪戦を繰り広げている。
現職の仲宗根悟は、読谷村長や村議と街頭に立ち、地盤固めに注力する。投票率低下を懸念し、有権者へ期日前投票を促している。
現職の瑞慶覧功は、北谷町長と連携し、地元で確実に票をまとめる。北中城や中城でも同級生票を取りまとめ、票の上積みを狙う。
2期目を目指す新垣光栄は首長や議員らの支持を得て、地元中城のほか、北中城や西原で得票を伸ばす。読谷でも票を掘り起こす。
新人の上里善清は新里米吉議長との手振りや街頭演説で後継をアピールする。西原町長の協力も得て、西原を中心に票を固める。
現職の中川京貴は前回、地元嘉手納の得票が減ったことから地盤の支持固めに力を入れる。北谷や読谷の保守票も取り込む。
新人の与那嶺義雄は、地元西原で街頭演説や手振りに奔走する。市民団体の支持を基盤に、中頭郡区全域での得票を見込む。
新人の仲松勤は中城や北中城の企業の支援を得ながら地元西原以外でも支持の浸透を図る。終盤は地元の支持固めに注力する。
仲宗根悟(62)=無・現3
瑞慶覧功(64)=無・現3
新垣光栄(57)=無・現1
上里善清(62)=社民・新
中川京貴(57)=自民・現3
与那嶺義雄(66)=自己決定の会・新
仲松勤(64)=無・新
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【宜野湾市区】地縁、支援組織重なりも
定数3の宜野湾市区は4人が立候補している。地縁や血縁、支援組織で重なりもみられ、激しい選挙戦を展開している。
現職の宮城一郎は上原や野嵩などを中心に選挙戦を展開する。社民党の支持層を固めたほか、保守地盤とされる大山にも地縁があり、支持固めを進める。
現職の又吉清義は我如古や真栄原を地盤として選挙運動を展開。支援する市議の数は最も多く、公明の推薦も受けた。知名度を生かして保守票固めを進める。
元職の呉屋宏は出身の喜友名を中心に選挙戦を展開する。公明の推薦を得たほか、複数の業種から支援を受けている。市内企業票や郷友会票で上積みを図る。
新人の玉城健一郎は元市長との血縁がある強みを生かし、野嵩や嘉数を地盤に運動を展開。市職労など労組からの支援を受けて無党派層への支持拡大を図る。
宮城一郎(53)=社民・現1
又吉清義(62)=自民・現2
呉屋宏(61)=無・元2
玉城健一郎(35)=無・新
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【沖縄市区】各陣営、票切り崩し奔走
沖縄市区は定数5を現職3人と前職1人、新人2人が激しく争う。強固な支持基盤を持つ候補に対し新人らは豊富な運動量で勢いを付け、各陣営は支持固めと票の切り崩しに奔走する。
現職の花城大輔は、陣営で新型コロナウイルスの感染者が発生し出遅れたが、告示日以降は精力的に活動する。企業を回り、保守票の支持固めに力を入れる。
復帰を目指す仲村未央は、労組の支援を受けて手堅く票をまとめる。支持者と手振りや街頭でのスポット演説を続け、票固めに余念がない。
新人の小渡良太郎は、中部・北部地域の市議の協力を得て、市内をくまなく回る。企業へのあいさつ回りを済ませ、地盤の東部地域の支持固めに注力する。
新人の島袋恵祐は、手振りや街頭演説で嘉陽宗儀の後継をアピールする。共産党支持層を固め、SNSの活用やイベント開催で若者層への支持拡大を図る。
現職の金城勉は事務所開きが遅れたが、地域回りで巻き返しを狙う。毎日数カ所でスポット演説を行い、5期の実績と新型コロナ対策などの政策を訴える。
現職の玉城満は自転車での街宣や地域回りで知名度を生かすほか、玉城デニー県政との連携を前面に押し出す。保守票の切り崩しに成功するかが焦点となる。
花城大輔(48)=自民・現2
仲村未央(48)=社民・前3
小渡良太郎(40)=自民・新
島袋恵祐(33)=共産・新
金城勉(68)=公明・現5
玉城満(61)=無・現3