【恩納】沖縄県恩納村の仲泊海岸で3日、ウミガメの産卵が2年ぶりに確認された。ピンク色でピンポン玉ほどの大きさの卵が、124個見つかった。25年にわたり保護活動を続ける山内輝信さん(82)は「昨年は初めて産卵がなかったから心配だった。大感動だ」と額の汗を拭った。
5~9月の産卵時期は、毎朝5時に起きて約1キロの海岸を1時間かけてパトロールしている。ウミガメが産卵しやすい環境をつくるため、ツル草を除去し、漂着ごみを拾う。
昨年は初めて、ウミガメが浜に上がった跡や卵を確認できず、「環境汚染、気候変動などが原因なのか。また来てくれるのだろうか」と不安な気持ちのまま過ごしていた。
3日早朝にウミガメが岸に上がった跡を確認。夕方ごろ、一緒に保護活動をしている古波蔵英雄さん(83)と与儀義一さん(52)と卵を掘り出した。約60日後にふ化するまで、看板を設置して大事に見守り続ける。
与儀さんは「2年前も数が少なかった。うれしい」、古波蔵さんは「生き物と触れ合えるのはとても良いこと」と喜んだ。山内さんは「小さい頃から育ってきた場所で愛着がある。いつまで(保護活動を)続けられるか分からないが、手助けしていきたい」と覚悟を見せた。
(喜屋武研伍)