沖縄県が独自で学力テスト実施へ 全国は中止、学校現場は困惑


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 文部科学省が新型コロナウイルスの影響を受けて中止を発表していた「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)について、県教育委員会は6日までに、県内で独自に実施することを各市町村教育委員会に通知した。臨時休校が長期化したため、児童・生徒の学力を把握するのが目的という。

 8月末までの実施を求めているが、一斉の試験日は定めず、実施日は各学校の判断に任せる。学校現場は児童・生徒の学習の遅れを取り戻すことや、感染予防の業務で多忙化しており、県教委幹部は「必ず実施しなければならないということではない。実施しない判断も尊重する」と説明した。

 全国学力テストは小学6年と中学3年の全員が対象。全国一斉のテストは中止が決まったものの、問題と解答は配付される。県教委は配付された問題を活用して実施する。

 県内の中学校校長は「学校現場はさまざまな行事を中止して授業時数の確保に努めているので、中止になった学力テストをあえてやることに理解が得られるのだろうか。採点作業も出てくるので、現場の負担は大きい」と疑問を呈した。

 別の中学校校長は「学校に通知が来ていないので大変驚いている。実施することでどれだけの影響が出るかは不明だ」と困惑した。