7日に投開票された県議会議員選挙の結果を受けて琉球新報が開いた県内政党・県議会会派の代表者による座談会には9氏が出席し、県政の評価や米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古新基地建設などを巡って意見を交わした。一方、現有8議席の会派おきなわは「落選議員もおり、会派自体が今後どうなるか分からない」として参加を見送った。座談会でも与野党の勢力について「数は流動的になる」といった意見や「会派の議員数を増やせるように頑張っていきたい」との考えも上がった。今月下旬に開会する議会に向け、与党と野党・中立の間で無所属議員の取り込みなど水面下で主導権争いが活発化しそうだ。(文中敬称略)
<出席者>
島袋大氏(自民党県連幹事長)照屋大河氏(社民党県連委員長)渡久地修氏(共産党県委副委員長)上原章氏(公明党県本幹事長)当山勝利氏(社大党副委員長)
當間盛夫氏(無所属の会会派長)清水磨男氏(国民民主党県連代表)大城竜男氏(立憲民主党県連幹事長)金城徹氏(政治団体「新しい風・にぬふぁぶし」共同代表)
司会 新垣毅琉球新報政治部長
<総括>
与党過半数に意義(共産) 人数絞る判断正解(公明)
地域へ訴え実った(立民)1議席獲得は収穫(にぬふぁ)
―県議選の評価と総括、低投票率の要因は。
島袋 議席を伸ばせ、玉城県政にしっかりと物を申せる体制で県議会に臨む。低投票率はコロナもあるが、政治に対して無関心も若干あったと思う。
照屋 与党で過半数を確保でき安堵(あんど)している。しかし宜野湾で公認した現職の議席を失ったことは痛恨の極みで責任を感じている。議論を重ねたい。
渡久地 オール沖縄が過半数となったことは重要な意義があり、県民の勝利だ。基地建設予算を削り命を守る予算に回せと訴えてきたことが支持された。
上原 県民の命を最優先にする判断で公認候補を2議席に絞った。議席は取り戻せるが命は取り戻せない。苦渋の決断だが、判断は間違ってなかった。
当山 現職委員長の議席を落とし厳しい選挙戦だった。コロナの影響が大きく、これまでの選挙ができなかった。県民に寄り添った党運営をしていきたい。
當間 感染症の経済回復をどうするのかという不信感も投票率に表れている。是々非々で、教育無償化を一緒に取り組める議員と連携していきたい。
清水 党所属議員が誕生し、推薦候補が那覇市や宜野湾市でトップ当選を果たせたことは大きく評価できる。投票率は新型コロナが大きな影響を与えた。
大城 新人候補が地域に入り、一生懸命我々の思いを訴えていったことで当選することができた。草の根民主主義を実現していける一歩だと思っている。
金城 1議席を確保できたことは大きな収穫だった。コロナで運動が著しく制限される中で工夫してやっていたが、かなり痛手が大きかったと思っている。
<コロナ対応>
対策事業者を支援(社大)
補償制度で大胆策(無所属・當間氏)
交付金の増額必要(立民)
―コロナ禍での選挙戦を振り返ってほしい。県経済の立て直しにどう取り組むか。
上原 経済回復に向け、観光客の受け入れを促す。そのため感染症対策の体制を強化する条例制定を想定している。観光産業の再構築を県に訴えていく。
当山 コロナ禍の選挙戦は大変厳しかった。県経済の立て直しは、県内の需要喚起が重要だ。コロナ対策を施す事業者に対し、しっかり支援する。
當間 観光産業が大打撃を受けたので、売り上げ補償制度など大胆な策を取る。議員報酬を削減するなど、政治家が身を切る覚悟で臨むことが必要だ。
清水 予算が必要なら、玉城県政は国に堂々と要求をしてほしい。しっかりと経済を再開しながら、感染拡大しない政策を打ち出してほしい。
大城 財政力が都道府県によって差がある。国が責任を持って補償すべきだ。県の独自対策を支援するために地方創生臨時交付金の大幅増額が必要だ。
金城 9・11の米同時多発テロの時は、国も県も一丸となって県経済の回復に向かって進んだ。県議会も一体となって対策を講じてほしい。
島袋 早急な経済対策が必要だ。緊急要請を玉城知事に申し入れているが動いていない。国に要請すべきところは要請するなど、追及していきたい。
照屋 新型コロナへの対応は県政の最重要課題となる。国の政策だけでは対応しきれていない。議会で議論を重ね、県の政策立案に反映させる。
渡久地 感染拡大の防止と、経済活動を進めることが大事だ。辺野古新基地建設を断念し、この予算で県民の命を守る。生活を支援する予算に回すべきだ。