糸満次期市長、當銘真栄氏「変化求める声多かった」「コロナの影響、急ピッチで把握」


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糸満市長選に初当選し、市政運営への抱負を語る當銘真栄氏=8日、糸満市西川町

 【糸満】任期満了に伴う糸満市長選が7日に投開票され、新人で前市議の當銘真栄氏(54)=無所属=が初当選した。市政刷新を訴えて選挙戦を制した當銘氏に、公約実現への道筋などを聞いた。

 ―選挙戦を振り返って。

 「今回の市長選は、市政継続か刷新か、この4年間の市政を市民が評価し、結果として変化を求める声が多かった。ここからがスタートだ。糸満市の課題を精査しながら就任に備えたい」

 ―投票率が1971年の市制施行以来最低だった。

 「新型コロナウイルス感染症と投開票日の悪天候の影響が出た。下がり続けている投票率を見る限り、市政への興味関心が薄れていることも当然考えられる。ただ今回、選挙活動に参加している若者の姿を見て、私は若者に対しての期待感がかなり高まった。私の考える政策に正面から意見して、納得がいけば積極的に発信してくれた。市民に寄り添う市政運営を心掛けることで、若者の関心をさらに高めることができるはずだ」

 ―現職に4482票の差をつけて当選したことの受け止めは。

 「現市政に納得がいかない市民が多かったということだろう。一方で私以外の候補者に合計1万960票入っていることの重みも、しっかり受け止めなければならない」

 ―公約実現に向けてどう取り組むか。

 「喫緊の課題は新型コロナウイルス感染症対策だ。コロナショックの影響がどれぐらい市民と企業にあるのか急ピッチで把握する必要がある。その上でプレミアム商品券の発行など掲げた公約を実行したい。行財政改革は現在進行中の事業も含めて、節約できる部分がないか見直しする。維持管理費など削減可能なものがあるはずだ。公約実現についてはすぐに取り掛かれるものと時間を要するものがある。民間の力も借りながら形にしていく」

 ―少数与党の議会運営にどう取り組むか。

 「今回、正式な出馬表明がかなり遅れた。もっと早くに発表できていれば共に戦うことができた市議もいたと感じている。少数与党にならない可能性がある。どちらにせよ、やることは変わらない。市民目線の、市民のための政治だ。意見を交わしながら進めていく」 
(聞き手・嘉数陽)