有害PFOSとPFOA、県内基地周辺7地点で国の目標値超え 沖縄市の大工廻川ワースト2位


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 【東京】環境省は11日、有機フッ素化合物の一種で有害性が指摘されているPFOSとPFOAに関して、全国171地点の河川などで2019年度に実施した調査結果を発表した。県内では19地点の水を調べ、うち7地点で環境省の暫定目標値(指針値・PFOSとPFOAの合計値1リットル当たり50ナノグラム)を超えていた。7地点は沖縄市と宜野湾市などの河川や湧き水で、いずれも米軍基地の近くとなっている。

 沖縄市の大工廻川は全国で2番目に値が高く、1リットル当たり1508・1ナノグラムで、暫定目標値の30倍を超えた。次いで宜野湾市のチュンナガー(同1303ナノグラム)、嘉手納町のシリーガー(同1188ナノグラム)の順に高かった。全国で最も値が高かったのは、大阪府摂津市の地下水で1リットル当たり1855・6ナノグラムが検出された。

 調査は環境省が昨年12月からことし1月にかけて全国で実施した。全国171地点でみると、沖縄を含む13都府県37地点で暫定目標値の超過があった。環境省はいずれの地点も飲用目的の水ではないものの、地元自治体に注意喚起を依頼したという。

 県内では、県がこれまで米軍基地周辺で実施した調査でもPFOSやPFOAが高濃度で検出されている。環境省の今回の調査でも同様の傾向が確認されているが、同省の担当者は「発生源を特定するための調査ではなく、ここが原因ということまでは言えない」と説明している。