赤いビーチ、サンゴが染めた 南風で卵が大量漂着 伊江港西側


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サンゴの卵が約2キロにわたり打ち寄せられ赤く染まった海岸=11日午前9時ごろ、伊江村川平

 【伊江】沖縄県伊江村の伊江港西側にある魚類養殖場海岸から西に約2キロにわたり、大量のサンゴの卵が打ち寄せ、砂浜が帯状に赤く染まっているのが11日、確認された。

 毎朝、日課で砂浜を散歩する伊江村東江上の内間末宏さん(68)が発見した。「昨日は青く透明な海だったが、今朝は一面赤く染まっていた」と驚いた様子。散歩途中にウミガメの産卵場所や足跡も3カ所見つけ、偶然が重なった。

 この現象は近年、サンゴが産卵するこの時期に阿良の浜や伊江ビーチなど伊江島の南海岸で広範囲にわたり見られ、南風に乗ってサンゴの卵が波打ち際に流れ着いたとみられる。周囲は潮の香りを強くしたような特有のにおいが漂っていた。

ウミガメの産卵場所や足跡を説明する内間末宏さん(左)

 伊江漁業協同組合の「伊江島海の会」は、島周辺の海域に生息するサンゴ礁の生態系の管理や保全活動を行っている。同漁協の八前隆一組合長も現場を確認し「神秘的な光景が毎年見られるよう、今後もサンゴの自然再生に向けて取り組みたい」と語った。

(金城幸人通信員)