【東京】環境省と厚生労働省はこのほど、有害性が指摘されている有機フッ素化合物の一種であるPFOSとPFOAに関する目標値(指針値)を決めたことを受け、手引きを作成し全国の都道府県などに通知した。飲用水源で目標値を超える濃度で検出され汚染の継続性があると判断された場合は「排出源の特定のための調査を実施」するなど濃度低減に必要な措置を検討することを盛り込んだ。
沖縄県内では北谷浄水場の水源となっている比謝川水系で高濃度で検出された事例があり、県が米軍嘉手納飛行場への立ち入り調査を求めているが、実現していない。今後の調査実現に向け国など関係機関の協力を得る根拠となりそうだ。
手引きは、目標値を超えて検出された場所では「ばく露防止の取り組みを実施することが望ましい」と指摘した。井戸などの設置者に対し、PFOSなどの特性や目標値が設定されたことを情報提供するほか、飲用を控えるよう助言することなどを挙げた。継続的な調査や、必要に応じて調査範囲を広げることも検討すべきだとした。
小泉進次郎環境相は12日の会見で手引きの策定に触れ「各地方公共団体には地域の実情などに合わせて手引きを参考として活用してほしい」と呼び掛けた。
手引きの策定に先立ち厚労省と環境省は、水道水や地下水などの水環境における目標値として、PFOSとPFOAを合わせて1リットル当たり50ナノグラムに決めた。