沖縄戦に動員された県内21校の元生徒らでつくる「元全学徒の会」は18日、全学徒戦没者追悼・平和祈念の会を糸満市摩文仁の平和祈念公園で開いた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月の開催予定を延期しており、規模を縮小し代表者のみで開催した。元学徒や関係者ら約20人が参加し、平和を追求する思いを次の世代が引き継ぐことを願った。
元全学徒の会共同代表で旧県立一中(現首里高)の4年当時、16歳で動員された與座章健さん(91)が「全学徒隊の碑」の前で、平和宣言を読み上げた。與座さんは「戦争のない平和こそ私たちの究極の願いだ」と呼び掛け、若い世代が戦争のない平和な島を築く努力を続けることに期待した。
同会共同代表で県立第二高女4年当時、16歳で動員された中山きくさん(91)は「来年は若い人たちと一緒に命どぅ宝、平和が一番という気持ちを日本中や世界に示すことができれば」と思いを述べた。
同会幹事の宮城政三郎さんは「日本国憲法を守り行動することが真の平和への道であり、戦没者の願いでもあることを肝に銘じ、生きている限り反戦平和への道を頑張りたい」とメッセージを寄せた。
沖縄戦では男子学徒は14歳から、女子学徒は15歳から戦場に動員された。同級生を亡くした元学徒の要請を受け、県が17年3月に全学徒隊の碑を建立し、18年3月に碑の横に学徒戦没者数(1984人)を記した刻銘板を設置した。