「みんなと仲良くが平和の一歩」 うるま市の石川中が慰霊の日特設授業 平和ガイドが講師


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 【うるま】23日の慰霊の日を前に、うるま市立石川中学校(田場勝校長)は19日、慰霊の日特設授業を開いた。1~3年生までの12クラスに1人ずつ講師を招き、講話形式で戦争の悲惨さや平和の大切さを伝えた。平和教育担当の玉城尚志教諭は「戦後75年の節目の年に、どうにかして取り組まなければと思った」と語った。教材には琉球新報の小中学生新聞「りゅうPON!」慰霊の日特別号を使用した。

小中学生新聞「りゅうPON!」特別号を使って、平和学習に取り組む石川中学校1年生ら=19日、うるま市石川の同校

 同校では例年、戦跡のフィールドワークを実施しているが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となった。社会科の教員らを中心に、沖縄戦を次世代に継承するため「別の形で平和学習ができないか」との声が上がった。生徒が集まるのを避けて、クラスごとに分かれた講話形式での授業実施を決めた。退職教員らで組織する「沖縄市平和ガイドネットワーク」の会員12人が講師を務めた。

 特設授業でガイドの森根昇さん(79)は、タレントのりゅうちぇるさんが祖母から聞いた強制集団死の記事を紹介した。「うるま市内でも同じことが起きた」と話し、悲惨な沖縄戦が遠い過去の出来事ではなく、身近な問題であることを強調した。

 講話を聞いた1年生の大嶺夢仁さん(13)は「戦争は起こしてはいけないものだと知った。友だちみんなと仲良くすることが、平和への第一歩になると思う」と感想を述べた。