先島陸自に配備予定の地対艦ミサイル ブースター「どこに落ちる」 野党国会議員懇談会で質疑集中


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
宮古島、石垣島で配備予定の12式地対艦ミサイル(防衛省資料より)

 【東京】野党国会議員でつくる「沖縄等米軍基地問題議員懇談会」が19日、国会内であり、宮古島や石垣島に配備される陸上自衛隊の「12式地対艦ミサイル」に関し質疑が相次いだ。ミサイルに、発射後に切り離される「ブースター」と呼ばれる推進補助装置が付いているためだ。防衛省や防衛装備庁の担当者は市街地から離れた場所で使用し「落ちる範囲は非常に狭い」などと強調したが、議員らからは「どこに落ちるか明確にすることが前提だ」などと疑問が出た。

 防衛省が秋田、山口両県で予定していた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画を停止したのは、ブースターを自衛隊の演習場内に確実に落下させられないことが理由だった。19日の懇談会で防衛装備庁の担当者は「落下範囲などを考慮し、住民や部隊も含めて影響の及ばないところを選定する」と説明した。

 地上イージスが固定型であるのに対し、地対艦ミサイルは車両に搭載され、移動しながら使えるという違いがある。だが地対艦ミサイルの性能や落下範囲が明確に示されず、議員らは「海に落ちる、人里離れた場所に落ちると言っても、にわかに信用できない。秋田や山口と同じような話だ」と問題視した。