「ずゐせんの塔」前で朗読演奏会 箏や三線で哀悼込め


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「戦争の谷間から平和の歌を」を披露する生田流筝曲「響の会」(左手前)とずいせん友の会の宮良和代さん(中央奥)=20日、糸満市米須

 糸満市米須の「ずゐせんの塔」で20日、生田流筝曲「響の会」(山内貴祐代表)の有志らが朗読演奏会「終戦75年目の『ずゐせん』への思い」を開いた。従軍看護要員として配属された瑞泉学徒隊(旧県立首里高等女学校)に哀悼の意を込め、戦争の悲しさや平和の願いを朗読や演奏で伝えた。

 新型コロナウイルスの影響で関係者のみで開催した。演奏会では山内代表が瑞泉学徒隊の手記「戦争の谷間から幾山河」を元に、平和の願いを込め作詞作曲した「戦争の谷間から平和の歌を」を披露した。瑞泉学徒隊だった故仲西由紀子さんから聞いた悲惨な戦争体験が創作のきっかけだ。仲西さんの長女純子さんも演奏した。

 沖縄戦の実像を伝える絵本「ずゐせん―女学生たちの最前線―」を宮良和代さんが朗読し、山内代表、山内盛貴さんと妻の瑛美香さんが、箏や三線、太鼓などの楽器を繊細に奏でた。山内代表は「全ての慰霊碑の魂の叫びを伝え、平和へつなげることができたら」と話した。