肉、乳用牛の飼養戸数が最低 悪臭対策に追われ離農も 19年末


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 沖縄県は2019年12月末の家畜・家きん飼養状況調査の結果を発表した。飼養戸数は減少傾向にあるものの、経営の大規模化により飼養頭・羽数は多くの畜種で増加か、横ばいとなっている。肉用牛、ブロイラー、乳用牛の飼養戸数は年々減少しており、過去最低を記録した。高齢化による離農や、宅地化が進む中で畜ふん処理など悪臭対策の難しさで離農する農家もある。

 肉用牛は、飼養頭数が前年比0・1%減の7万3783頭、飼養戸数が同3・2%減の2307戸だった。県畜産課は「1戸当たりの頭数が増えている。離島でサトウキビと兼業していた農家が肉用牛の専業になる傾向がある」と話す。

 乳用牛は飼養頭数が同0・3%増の4252頭、飼養戸数が同3・0%減の64戸だった。牛舎の周りが住宅地化したことで臭いなど環境対策に追われ、離農する場合もある。

 豚は飼養頭数が同5・4%増の21万8081頭、飼養戸数は同1・1%増の276戸だった。大口の農家が頭数を増やしたことが増加につながった。今回の調査は19年12月末の頭数のため、20年1月に発生した豚熱(CSF)の影響は含まれていない。次回調査では頭数や戸数に影響が出るとみられる。県畜産課によると、飼養衛生管理基準の順守に追い付けず離農する農家が出る可能性があるとする。

 採卵鶏は飼養羽数が同1・3%増の138万6547羽、飼養戸数は同1・3%増の301戸だった。ブロイラーは飼養羽数が同4・7%増の60万1522羽、飼養戸数が同8・7%減の21戸だった。

 ヤギは飼養頭数が同2・8%減の1万1703頭、飼養戸数が同5・6%減の1401戸だった。相場が低迷したことや、気軽に始められる分、気軽に離農する農家が多いという。