毎年、慰霊の日に平和の礎を訪れる佐藤和子さん(88)=那覇市=は今年、新型コロナウイルスの影響で行くかどうか迷ったという。それでも「線香だけはあげたい」と訪れた。
石垣市出身の佐藤さんは、戦争中は自宅近くに掘った壕に一家で避難していた。壕ではマラリアで弟2人と祖母を亡くした。兄は兵隊で中国へ出征し戦死した。自身もマラリアにかかり、壕の近くに爆弾が落ちたこともあった。佐藤さんは「思い出したくない。もう戦争は嫌だ」と言葉少なに語った。
「線香だけはあげたい」 マラリアで亡くなった弟らしのぶ
この記事を書いた人
大城 周子