「女性暴行」訴えられた今帰仁村議に辞職勧告 村議会「説明責任果たさず」本人欠席


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 【今帰仁(なきじんそん)】沖縄本島北部の女性が1月、今帰仁村議の吉田清尊氏(69)から性的暴行を受けたと訴えて被害届を県警に提出したことについて、今帰仁村議会は24日の6月定例会最終本会議で、吉田氏に対する議員辞職勧告決議を全会一致で可決した。決議では「説明責任を果たさず、議会の名誉と品位を傷つけ村民への信頼を一層失墜させている」としている。吉田氏はこの日、体調不良を理由に欠席した。

 今月16日、吉田氏の辞職を求める嘆願書が女性から村議会に届いた。本紙は3月21日、女性の訴えを報じていた。

 議会は報道以前に事態を把握し、3月、6月の定例会期間中に全員協議会を開くなどして説明を求めたが、吉田氏は「弁護士に止められている」などとして応じていなかった。

 議会事務局によると、村民から「議員倫理に反する」といった批判も複数件寄せられているという。決議後、座間味薫議長は「女性から嘆願書が届いたこと、吉田氏が説明責任を果たしていないことを重く見た」と取材に答えた。

 本紙はこれまでに吉田氏に直接質問したり、質問状を提出したりしたが、吉田氏は回答をしなかった。決議後、取材のための電話にも出なかった。一方、吉田氏の代理人弁護士は本紙の取材に対し辞職を否定し、「捜査はまだ続いている。女性の言い分のみを信じて、犯罪行為をやっていない人に対して決議するのはおかしい」とした。被害を訴える女性は「村議会が真摯(しんし)に対応し、議員辞職勧告を決議してよかった。警察は捜査を進めてほしい」と話した。


<おことわり>

 琉球新報はこれまで、議員の氏名を匿名としてきました。村議会が議員の辞職勧告決議を可決したことを踏まえ、実名に切り替えます。