県内高校野球 開邦、南農、辺土名、真和志の4校連合が練習再開 春季大会以上の躍進誓う


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夏季大会でも奮闘を誓う、開邦・南部農林・辺土名・真和志の連合チーム=20日、那覇市の真和志高

 今年の県高校野球春季大会で連合チーム初の16強入りと奮闘した開邦・南部農林・辺土名・真和志が夏季大会も同じ枠組みで出場する。真和志ただ一人の野球部員でエースの仲宗根匠、バッテリーを組む開邦の金城温大らを中心とするチームは春の大会以来となる合同練習を再開させた。「やっぱり野球って楽しい」とプレーできる喜びを胸に、春季大会以上の躍進を誓う。

 「思い切りのいいプレーが俺たちのいいところ。良いプレーが出たら、みんなで褒め合おう」

 各校の対外試合が解禁された20日、春季大会以来、2度目となる合同練習が真和志高で行われた。連合を率いる開邦の照屋圭二郎監督が呼び掛けると選手たちも「もうちょい」「いけるよー、ナイス」と威勢のいい声をグラウンドに響かせた。

 エースである真和志の仲宗根は右サイドスローからスライダーやシンカーを操る。日ごろの練習は同校の田里友哉監督と2人っきり。実戦経験が積めない環境下で、不安に思うこともあった。だが、連合で大会に出場することが仲宗根の心の支えだった。「連合でそろう時ぐらいしか本格的な練習はできない。でも、みんなで一緒に野球できるのがうれしくて」。新型コロナによる臨時休校中も、夏季大会開催を信じて投げ込んできた。

真和志でただ一人の野球部員で、連合チームの勝利の鍵を握る仲宗根匠=20日、那覇市の真和志高

 特訓の成果もあってか合同練習後に行われた読谷との練習試合では内角のゾーン際を狙った直球に、ふわっと浮いて落ちる変化球を織り交ぜ、まずまずのピッチングをみせた。照屋監督も「春より球速も制球力もよくなってきた」と手放しで褒める。

 1年から仲宗根とバッテリーを組む金城も、夏も再び仲宗根の球を受けることに喜びを隠さない。1年時は、配球に首を振られることも多かったというが「ここ最近は、言った通りのコースに投げてくれる。打たれたら逆に責任を感じてしまう」と信頼されていることを実感している。

 それぞれは独自では9人に満たず、日ごろの練習もままならなかった。だからこそ互いに得がたい仲間だと感じている4校の14人。夏季大会に向け、連合の主将を務める金城は「一つでも多く勝ち進んで、みんなと長く野球がしたい」。野球ができる喜びを感じ、いざ挑む。
 (上江洲真梨子)