米軍基地の縮小、年度内に提言 県設置の万国津梁会議 イージス停止も根拠に


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2020年度第1回会合=25日、県庁

 県が有識者の意見を政策に反映させるために設置した「米軍基地問題に関する万国津梁(しんりょう)会議」(柳沢協二委員長)は25日、県庁で2020年度第1回会合を開いた。日本大学の鎌尾彰司准教授(地盤工学)が招かれ、技術的な観点から名護市辺野古の新基地建設工事の不合理さを説明。地盤改良船も届かないほどの深さに軟弱地盤が存在する大浦湾側の工事の問題点を解説した。

 今後、同会議は米海兵隊の新たな組織再編や米中対立に伴う太平洋地域の軍事環境の変化、山口県と秋田県に配備予定だった地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の計画停止などを踏まえて、県内の米軍基地の整理縮小に向けた新たな提言書を本年度内に作成する。

 会議後、記者会見した柳沢委員長は「少なくとも公共工事としては合理的にできるプロジェクトではない。期間も金額も倍になるかもしれない不確実性の中で、(技術的に)できるとすればこういうやり方しかないという風に受け止めた。私が政策判断する立場ならばこれは無理だなと思う」と語った。