ホワイト急便沖縄が民事再生 コロナ倒産3例目 負債総額は4億9000万円


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 クリーニングのホワイト急便沖縄(沖縄市、松田博之社長)は、那覇地裁に対して民事再生法の適用を申請した。東京商工リサーチ沖縄支店と帝国データバンク沖縄支店が26日、発表した。負債総額は約4億9千万円。競合激化などで厳しい経営状況にあった上に、新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響で需要が減退した。県内での新型コロナウイルス関連倒産は3件目。

 県内には直営店1店舗、取次店15店舗の計16店舗がある。代理人弁護士によると再生手続き中も営業は継続し雇用は維持する方針だが、既に給与の未払いが生じているという。24日付で、那覇地裁から財産の保全処分を受けた。債権者は約120人で、7月1日に債権者説明会を開く。

 ホワイト急便沖縄は別会社のクリーニング事業を引き継ぐ形で2007年に設立された。全国クリーニングチェーンの日本さわやかグループの沖縄地区本部として衣類などのクリーニングを請け負い、ピーク時は取次店を含め県内に30店舗以上を構えていた。しかし同業者との価格競争などで厳しい経営状況にあったという。

 東京商工リサーチ沖縄支店によると、17年に1億4千万円を借り入れて工場の設備を増強したが、借入金の返済負担が大きくなったという。高級クリーニングを手掛ける県外の事業者との連携を模索したがうまくいかず、新型コロナウイルス感染症の影響で受注がさらに落ち込んだ。

 新型コロナ対策融資を申し込んだが、元々の債務が大きく融資を得られない見通しとなったこともあり、民事再生に踏み切ったという。

 日本さわやかグループとの契約はすでに終了しているため、今後「ホワイト急便」の商標の変更を検討しているという。