【糸満】新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、沖縄戦戦没者の追悼手法で、遠隔地と慰霊碑をビデオ通話などつなぐ“リモート慰霊”の動きが出てきている。慰霊の日の23日、糸満市の平和の礎では石垣島にいる女性のために、ビデオ通話で刻銘板を映す若者の姿があった。そこに、女性のいとこである浦崎成子さん(73)=西原町=が偶然通り掛かり、一緒に祈りをささげた。
石垣市出身の成子さんは夫の幸夫さん(75)と平和の礎を訪れた。ビデオ通話中に映り込んだことで「成子じゃないの?」といとこの声が聞こえて存在に気付いた。ビデオ通話を活用し、平和の礎にいる時間をいとこと共有できた成子さんは「こういうのがもっと広がったらいい。高齢になっても孫が代わりに追悼したらいいと思う」と期待した。