紙芝居「平和ってなぁに?」 アブチラガマの元ガイド、玉城幼稚園で読み聞かせ


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沖縄戦の紙芝居の読み聞かせをした當山菊子さん(右)=12日、南城市立玉城幼稚園

 【南城】慰霊の日を前に、沖縄県南城市玉城屋嘉部の市立玉城幼稚園(屋比久守園長)は12日、沖縄戦の紙芝居の読み聞かせをした。糸数のアブチラガマのガイドなどを務めた「語り部の友・ゆうな」の當山菊子さん(66)を招き、自作の紙芝居「平和ってなぁに? おばぁちゃんの悲しみ」を年長クラスの園児111人に読み聞かせた。2017年から毎年実施している。

 紙芝居は沖縄戦の体験によってPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えたおばあちゃんと孫の話を基に描かれている。後半はアブチラガマで3カ月過ごし、九死に一生を得た元日本兵の故・日比野勝廣さんの話を盛り込み、同幼稚園にある大きなひな人形は日比野さんが「平和の世の中が、いつまでも続きますように」と願いを込めて贈ったことを伝えた。

 紙芝居を終え、當山さんが「どんな時が幸せですか」と問い掛けると、園児から「みんなと一緒に遊べることが幸せ」「おいしいご飯が食べられることが幸せ」などの答えが返った。當山さんは「少しでも平和や命がとても大事なことだと伝われば」と話した。