レジ袋有料、小規模店戸惑い「請求気まずい」「サービスで提供も」


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商品を入れたレジ袋を買い物客に手渡す店員(右)=29日、那覇市の牧志第一公設市場の仮設市場

 レジ袋の有料義務化が1日から始まった。大手スーパーではすでに導入されていたこともあり、新たに有料化となったコンビニエンスストアでの対応も順調に進む。消費者から「有料化は必要だ」と前向きに受け止める声も聞こえた一方、小規模店舗の経営者からは「数円とはいえ、袋代を直接求めることは気まずい」「他店を様子見する」などの本音も聞こえた。プラスチックごみの削減や「脱使い捨て社会」は国際的な課題であり、試行錯誤が続きそうだ。

 沖縄県那覇市の平和通りには小規模店舗が並ぶ。衣料品店を営む70代女性は会計時、客に「袋は要りますか」と声を掛け、レジ袋削減に普段から努めている。近年、不要と答える客が増えた。商品価格は100円単位で設定している。「レジ袋の料金を請求し、『1円単位まで取るのか』と客に思われるのが怖い。正直に言えば、有料義務化前と変わらずレジ袋をサービスで提供する。国に注意されたら見直す」とため息をついた。

 那覇市の第一牧志公設市場では26日、市職員が入居する店舗に有料化を周知するチラシを配布した。市場で「長嶺鮮魚」を営む長嶺次江さん(80)は「全てが資源だ。無料ならそこら辺に捨てる人もいるだろうし、良いことだ」とレジ袋の有料化を歓迎した。一方、「一円単位の細かい会計を嫌がるお客さんや、有料化に慣れないお年寄りもいるだろう。トラブルになることは避けたい。制度が浸透するまでに時間が必要ではないか」と懸念した。

 市場の精肉店で買い物をしていた大湾竹さん(68)=南城市=は「理由があって決まったことだ。特に反対しない。レジ袋が必要な場合は払うので、店の人も代金を請求してもいい」と語った。

 レジ袋有料化を進めてきた沖縄総合事務局環境資源課の担当者は「大手スーパーなどでは取り組みが浸透したが、中小零細企業や個人商店にはまだ周知が行き届いていないかもしれない。引き続き周知に努めていく」としている。