「瞬時に名護全体へ災害情報を」 FMやんばる 放送エリア拡大へ電波塔建設の寄付募る


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電波塔新設に向けてクラウドファンディングに取り組むFMやんばるの新城拓馬社長=6月25日、名護市の同局

 【名護】名護市のコミュニティーラジオ局「FMやんばる」(77・6メガヘルツ)が市東海岸や屋我地島への放送エリア拡大のため電波塔建設に向けて、ネット上のクラウドファンディングで寄付を募っている。目標額は600万円。新城拓馬社長は「名護全体に災害情報を届けたい」と協力を呼び掛けている。

 現在のFMやんばるの放送エリアは名護市西海岸のみ。同局は東海岸や屋我地島に加え、西海岸向けの電波塔移設で電波が弱くなる羽地地域をカバーしようと多野岳への電波塔新設を計画していた。資金も準備していたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う広告費の減少の対応に使ったため、クラウドファンディングでの資金集めに取り組むことになった。

 放送エリア拡大の目的は、災害をはじめ新型コロナウイルスの関連情報などの発信だ。

 新城社長は「東日本大震災の当日もラジオが(被災者の)重要な情報源だった。ネットやテレビで情報を得にくい災害時はコミュニティーFMが力を発揮する」と強調する。同局では台風時などに避難所や冠水地点などの情報発信に取り組んできた。

 クラウドファンディングは500円から協力できる。参加者を増やし、防災について考える契機にしてもらうことも狙いだ。
 新城社長は「名護市は太平洋、羽地内海、名護湾と三つの海に囲まれている。(クラウドファンディングで)防災意識向上につなげていきたい」と訴えた。

 クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」から寄付できる。寄付額は500~10万円。

 アクセスはこちら(https://camp-fire.jp/projects/view/254273)から。名護市城の同局で現金の寄付も受け付けている。問い合わせは(電話)0980(54)1515。