「沖縄の縮図・伊江島の記録と記憶展」が3日から宜野湾市の佐喜眞美術館で始まった。沖縄アジア国際平和芸術祭2020(佐喜眞美術館、まぶいぐみ実行委員会、琉球新報社など共催)の一環。8月3日まで。平和運動に生涯をささげた故阿波根昌鴻さんが、1950年~60年代に伊江島の土地闘争や島民の表情などを撮影した写真約80点を展示する。
阿波根さんの写真集「人間の住んでいる島―沖縄・伊江島土地闘争の記録」や、反戦資料館「ヌチドゥタカラの家」の開館30年記念で2015年に行われた写真展の写真などから選んだ。
阿波根さんの足跡を伝える「わびあいの里」の謝花悦子理事長は「写真家としての阿波根の作品展が、佐喜眞美術館で開催されることはとてもうれしい」と感謝した。写真展の構成に携わった琉球大学教育学部の小屋敷琢己教授は、村民を撮影した写真について「被写体は柔らかな表情を浮かべている。阿波根さんだから撮れる写真だ」と説明した。
まぶいぐみ実行委員会の比嘉豊光さんが伊江島の戦争体験者の証言を収めた記録映画も上映する。県内在住者は入場無料。問い合わせは同美術館(電話)098(893)5737。