沖縄水産の二枚看板、古波藏悠悟と石川愛斗が意欲をかきたてている。甲子園の目標を失った喪失感は大きいが、学校を挙げた推戴式を開いてもらい、保護者が駆け付けた紅白戦を戦うなどしてチームは一つにまとまった。2人は昨年の春季にマウンドを多く任され準優勝に貢献しており「優勝して最高の最後の夏にする」(古波藏)と挑む。
古波藏は最速143キロの左腕。多彩な変化球を織り交ぜながら三振を狙ったり打たせて取ったりと冷静にゲームをコントロールする。新型コロナによる部活動休止中は兄の悟哉さんに毎日のように練習に付き合ってもらい、投球時に腕が開く癖を直して球威を増した。
右の石川は最速142キロ。ストレートで押して、フォークなど決め球で取る。春季大会で2回戦負けした悔しさを胸に、自宅にネットを張ってピッチング練習をしたり、ユーチューブで投球動画を毎日見たりしながら、フォームを一から見直した。リリースポイントが安定し、力まず伸びのある球を投げる。
上原忠監督は「状態は最高にいい。スピン、切れ、質の高い球を投げる」と期待を込める。石川は「無観客だった春を経験して、応援が力になることを痛感した。(親らに見てもらえる)夏は全ての力を出し切る」と奮闘を誓った。
(古川峻)
高校野球アルバム2020夏季大会
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