【渡嘉敷】高齢化などに伴い、米作りをする農家が減少する中、渡嘉敷村内で稲作を守り続けている人がいる。稲作農家で最高齢の知念竹治さん(88)だ。「3月に植えた稲がいつもの年より大豊作でうれしい」と刈り取った黄金の稲穂を肩にかつぎ、田んぼのあぜ道まで運ぶ。
知念さんは、村内で40年余り砂販売業を営む傍ら、先祖代々受け継いだ田んぼで米作りを続けている。85歳を機に本職の砂販売業を辞め、好きな農業を楽しんでいるという。現在は、島に戻った長男の優さん(63)と2人で約2千平方メートル(約600坪)の田んぼで米作りを続け、3月に植え付けした「こしひかり」は順調に育ち大豊作となった。
収穫した米は自給用のほか本島の家族や親戚などに贈るという。愛用の軽トラックを運転して畑に通うのが日課となっており、88歳とは思えないほど背筋も伸び足腰もしっかりして住民からは現役バリバリのスーパーオジーと評判だ。
渡嘉敷村は昔から米作りが盛んだが、近年は高齢化や後継者不足などで耕作を放棄した田んぼや畑の荒地が目立っている。現在は販売用の米作り農家はなく、知念さんを含めて村出身者4世帯と本土からの移住者1世帯が自給用に栽培している。
村では農業を活性化させる取り組みなどを行っているが後継者問題が課題となっている。
(米田英明通信員)