九州豪雨 浸水や避難、沖縄出身者も眠れぬ夜 広がる被害に募る不安


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 福岡、佐賀、長崎に大雨特別警報が発令された6日午後6時時点で、県関係者に人身被害などは確認されていない。4日の豪雨で大きな被害が出た熊本県では、県出身者から新たな被害を懸念する声も上がる。

 長崎市に住む長崎大4年の慶田盛音夢さん(22)は「6日午後5時半ごろに大学から帰宅指示が出た。市内のあちこちで足首が漬かるほど水がたまった」と話す。県出身で同大3年の男子学生は玄関を開けた際、雨水が室内に流れ込んだ。男子学生は友人らと避難所に身を寄せているという。

 福岡沖縄県人会の知念稔会長によると6日時点で、福岡県内の会員の被害などは確認されていない。知念会長は「長崎本線など電車に大規模な遅延や運休が発生している。深夜にも雨が強まるという報道があるので心配だ」と不安げな表情を浮かべた。

 熊本県芦北町在住で、県出身の吉田紀子さん(84)は「(豪雨で)不安な状況が続いて不眠症になってしまった」と明かす。自宅は床下浸水したが大きな被害はなかった。「高齢の夫と2人暮らしでどうしていいか分からず、小降りになるのをひたすら待った」と話す。吉田さんは「怖い目に遭い、ふるさとの沖縄がとても恋しくなった」と語った。