<シネマFOCUS>作品「チア・アップ」 訳あり高齢者が集合、平均72歳のチアクラブ


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 過日、すいたモノレールの中で高齢のご婦人が突然立ち上がり何かを探し始めた。すると、私の前で足を投げ出して音楽に聞き入っていた少年がちゅうちょなく立ち上がり一緒に探し始める。探し物はとても小さなものらしく、見つからなかったが、ご婦人は少年に何度も礼を言って下りた。およそ一駅区間の出来事。

 ダイアン・キートン74歳。大女優が演じるのは人生の終盤で「今が最高!」

と笑う一人の女性、マーサの人生。マーサは余生を送るために引っ越したシニアタウンで、一人のお節介な隣人シェリルと出会う。構ってくれるなのマーサだが、このお節介シェリルの行動力が、やがてシニアタウンの訳あり老人たちを巻き込んで平均年齢72歳のチアリーディング・クラブへと発展する。お節介がマーサの人生を豊かなものにしたのは間違いない。

 小心者の私は、これは親切かお節介かと迷って行動しないパターンだが、拒絶されたら素直に引き下がる勇気をもって、シェリルや少年を見習ってお節介ばあさんを目指すことにした。監督はザラ・ヘイズ。(スターシアターズ・榮慶子)