嘉手納、切れ目ない打線で着実に加点 高校野球県夏季大会


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宜野湾―嘉手納 2回裏1死二塁、先制の適時二塁打を放つ嘉手納の小禄大晴=12日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(大城直也撮影)

 高校野球の2020県夏季大会(県高野連主催)第4日は12日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で1回戦3試合を行った。嘉手納は5―1で宜野湾に勝利し、宜野座が5―1でコザを退けた。沖縄尚学は沖縄カトリックに14―0の五回コールド勝ちを収めた。1回戦が終了。18、19日には2回戦の計16試合が両日とも3球場で行われる。

◆小禄 流れ呼ぶ適時二塁打

 嘉手納は上位から下位まで切れ目ない打線で宜野湾の堅守を崩し、主導権を握った。

 四球と犠打で二塁まで進めた二回。三振判定へのアピールが認められ打席にとどまった7番・小禄大晴が高めの直球に合わせた。打球は左中間へ一直線に伸びる適時二塁打となる。2走の新里紹真がガッツポーズを掲げながら先制のホームを踏み、流れをつかんだ。

 エースの新垣翔也は練習中に負傷し。代わって先発マウンドを務めたのが先制打の小禄だ。外野手だが、つらい思いをしているエースのためにも「仕事をしっかりするだけ。点を取られても、仲間が取り返してくれる」。

 チームを信頼し、思い切り良く投げ込み、五回までを3安打、1失点と先発の役割を果たした。

 大蔵宗元・前監督がこの春に異動。その赴任校との初戦だった。嘉手納を率いる中山慎監督は「運命のカードだった」と振り返る。呉屋栄大主将は相手ベンチの恩師に「勇姿を見せられた」と胸を張った。

 次戦は昨秋の準々決勝で1点差で勝利した沖縄水産と当たる。呉屋は「課題を持ち帰って備えたい」と既に気持ちを切り替えていた。
 (上江洲真梨子)


宜野湾
000 010 000|
010 102 01×|
嘉手納

(宜)濱川、知念―宮里
(嘉)小禄、新垣、呉屋―照屋
▽二塁打 知念(宜)、小禄、緒方(以上嘉)

 【評】エース不在の嘉手納が継投策で1失点に抑えた。攻めては犠打に盗塁を着実に成功させ、多彩な攻撃を展開した。打線は11安打。宜野湾は堅守が光ったが、打線がつながらなかった。

 ●二塁打で出て、得点を記録した宜野湾2年の知念陽生「逆方向を意識した打撃ができた。ただチームとしては全体的にそれが最後までできず、流れをつくれなかった。この悔しさをばねに先輩たちの分も頑張っていきたい」