沖縄・豊見城市に再生医療拠点の計画 市議会野党が反対


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 【豊見城】県が再生医療産業拠点の位置付けで豊見城市与根に「細胞培養加工施設」建設の計画を進めていることがこのほど分かった。だが市議会多数派の野党はこれまで十分な説明がなかったことなどを理由に反対し、与根への建設計画は頓挫する可能性がある。15日に県、市、市議会の全員協議会が開かれたが、県は「7月中に土地売買契約ができなければ、他市町村も含め場所の選定を見直すことになる」と説明する。山川仁市長は7月中に臨時議会を招集することを含め、今後の対応を検討している。

 建設予定地は現在、体育施設(サッカー場)として使用されている。細胞培養加工施設建設は区画整理事業となるため、市は体育施設の設置・管理条例廃止案を3月と6月に市議会で提案したが、野党は「部活動に支障が出る」などとして否決した。

 細胞培養加工施設は、県がアジア経済戦略構想の一環として2017年から市と協議を始め、那覇空港に近い市与根への建設に向け調整してきた。21年度で期限が切れる一括交付金を財源とし、県の本年度当初予算に4億3490万円を計上。うち土地購入代や設計費に3億2500万円を充てる予定だ。