沖縄戦で日本軍第32軍を指揮した牛島満司令官の孫、牛島貞満さんが21日、那覇市職員らと同市の第32軍司令部壕跡を視察し、壕の保存・公開について意見交換した。視察前には城間幹子市長を訪ね、壕の保存・活用について協力することを確認した。
牛島さんは壕の保存・活用について「沖縄の人が主体となって知恵を集め、進めていただけたらと思う。私はこれまで調べてきたことで協力したい」と話した。その上で「牛島満の孫として宿命を持たされたと思っている。過去の責任を私が取ることはできないが、牛島満の命令で犠牲になった人々の子孫と過去の事実を共有し、平和について考えたい」と語った。
城間市長との面談や視察には沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表も同行した。具志堅さんは「負傷兵が第32軍司令部壕を出たという記録は見たことがなく、今も遺骨があると思われる。収集して遺族の元へ返したい」と話した。
視察では、地中に埋没している第1~3坑口、換気口があると思われる場所や第5坑口、戦後の調査で造られた進入道を回った。