辺野古サンゴ訴訟で玉城デニー知事 国の指示は「法令上の知事権限奪う」


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県がサンゴ移植許可を巡り、国を提訴したことを受けて会見を開く玉城デニー知事=22日午後、県庁

 玉城デニー知事や弁護団と記者団の一問一答は次の通り。

 ―勝訴へのポイントは。

 「是正の指示は、私の判断を前に農水相が許可を命ずるものだ。法令で知事に与えられた権限を奪いかねないということだ」

 ―知事は政府との対話による解決を求めてきたが、長らく対話が行われていない実情をどう考えるか。

 「県知事の権限を行使しなければ、埋め立てを認めたことになる。対話で国と地方の信頼関係に基づく問題解決の道筋をたどるべきだ」

 ―知事は政府をどう対話に引き出すか。

 「県民の思いを主張し、埋め立て事業の問題点を明らかにして世論に問題提起し、政府が対話に応じるよう訴えていきたい」

 ―今の日本の地方自治の在り方を知事は率直にどう思うか。

 「地方自治法上は国と地方自治体は対等というのが原点だ。裁判所も県の主張にしかるべき判断を下すだろう」

 ―係争委は公平中立な第三者機関として役割を果たせているか。

 (加藤裕弁護士)「国が権限を乱用し、埋め立てを進めるため、省庁や手段を都合よく使っていることを係争処理委員会が判断できていない」

 ―前回と同様に国が指示を出すことがあり得るが、知事はどう捉えるか。

 「承認変更申請はその内容も審査する方向だ。国の方針は分からないが、法令に従って対応していきたい」