離島にありながら過去に4度も全国高校総体に出場した男子バレーボールの強豪・伊良部高は、本年度で廃校となる。伊良部高で1人だけのバレー部員・仲間成南(せな)さん(17)=3年=が、宮古総実高との連合チームで県高校総体に出場した。セッターとしてチームを引っ張り、3回戦まで勝ち進んだ。25日の準々決勝で美里工高に敗れたが、仲間さんは「このまま(伊良部高の)歴史が途絶えるのは嫌だ。秋の県大会を勝ち上がって春高バレー(全国選手権)に出場し『伊良部』の名前をもう一度、という気持ちはある」と闘志を燃やした。
仲間さんが1年生の時、伊良部高は次年度から生徒を募集しないことが決まった。昨年6月に1学年上の先輩たちが引退し、バレー部は仲間さん1人だけになったため、宮古総実高と合同で大会に出場するようになった。宮古総実高には中学の同級生も多く、合同チームにも「戸惑いはなかった」。週4回、一緒に練習して連携を深めた。
たくさんのOBや島の人たちがバレー部を支えてくれたことに感謝している。「『最後の1人』になったことに最初は戸惑いもあったけど、今では誇りに思う」。最後の春高へ、完全燃焼を誓った。
(荒井良平)