貧困、自殺…子どもの今をつぶさに 寺脇氏の企画映画が那覇で公開


社会
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舞台あいさつをする、企画・統括プロデューサーの寺脇研さん=25日、那覇市の桜坂劇場

 貧困や自殺など現代の子どもを取り巻く悲惨な現実を描いた映画「子どもたちをよろしく」(隅田靖監督)の上映が25日、那覇市の桜坂劇場で始まった。企画と統括プロデューサーを務めた元文部科学官僚の寺脇研さん(68)が同日、同作の配給会社太秦の代表取締役で出演者の小林三四郎さん(62)と舞台あいさつをした。

 「子どもたちをよろしく」は、いじめや虐待などで家庭や学校に居場所がなく、生きづらさを抱える子どもたちの姿を描く。元文部科学省事務次官の前川喜平さんも企画に加わった。性暴力を繰り返す義父を持ち派遣型性風俗で働く少女や、学校でいじめられ、家庭では父親がギャンブル依存症のため居場所がない男子中学生など、日本社会の闇を観客に突き付ける。

 寺脇さんは「大人全体がその気にならなければ子どもは救えない。全ての子どもがご飯を食べ、学校に行け、虐げられずに生きられる世の中にしたいと思う」と製作の意図を話した。

 上映は8月7日まで。寺脇さんの舞台あいさつは26日午後0時20分の回終了後にもある。上映時間など詳細は劇場ホームページで。