【熱闘・県総体】那覇西男子、美里女子が頂点


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◇気迫の激突、延長戦で那覇西が3冠へ王手

那覇西―宜野湾 延長前半、ディフェンスをかわして、ゴールを決める那覇西の石川元尋=25日、金武町フットボールセンター(又吉康秀撮影)

 那覇西と宜野湾の気迫がぶつかり合った。互いの決定機を阻み合う。終盤に近づくにつれて選手らのボルテージは上がり、見せ場も増えたが、スコアレスで後半が終了。延長戦が始まる前、ベンチで那覇西の平安山良太監督が「最後は勝ちたい気持ち(の勝負)。やっちゃいますか」とハッパを掛けると、選手らは「しゃあー」と声を上げてピッチに飛び出した。

 延長前半6分、仲西泰盛のロングボールをゴール前で辺土名亘が頭で落とす。「信じて中に入っていた」と受けた石川元尋が流し込んで先制点を挙げた。

 宜野湾が交代カードを切り攻勢に転じるが、石川がその隙を突く。前半終了間際、ドリブルで切り込み右側から鋭角にシュート。ダメ押しの2点目を決め「めっちゃ最高です」と喜んだ。

 新人大会に続く優勝。総体17度目の頂点で、目標の全国高校選手権県予選との3冠に王手をかけた。しかし、那覇西らしい連係は少なく、パスカットから速攻を許す課題も残った。山川樹主将は「通るパスも通らなくなった」と約2カ月の中断期間の影響を挙げ、平安山監督は「慎重になりすぎた」と硬さを分析した。

 集大成である選手権県予選への途上にすぎない。山川主将は「決定力、体力、技術でまだまだ。一からつくり直す」と力をためるつもりだ。

(古川峻)


◇美里、チームワークで動揺乗り切り快勝

美里―コザ 後半、ディフェンスを振り切り、シュートを決める美里の嶋本音花(8)=25日、金武町フットボールセンター(古川峻撮影)

 美里がコザの5連覇を阻止した。会場に向かう車中で皆で歌い、試合前は鬼ごっこで緊張をほどく仲のよいメンバー。ボールを支配される苦しい時間帯もあったが、チームワークで乗り切った。

 前半34分、小禄愛優のスルーパスを宮城璃央がDFの裏へ抜けて受け、先制点を決めた。しかし、後半開始後にPKで追い付かれると動揺が広がる。逆転負けのいつものパターンが頭をよぎったからだ。円陣を組み「まだ終わってない」と切り替えた。PKで宮城が2点目。続いて嶋本音花がスルーパスに反応してダメ押しの3点目を決めた。

 嶋本は「皆の気持ちが一致してしっかり優勝で終われた」と笑顔。主将の宮城は全国につながる9月の選手権に向けて「改善点はまだある。見直して全国に行きたい」と3連覇へ準備する。