基地を縮小したら経済どうなる? 県外と県内、意識のギャップが明らかに 上智大・米軍基地めぐる県内外意識差調査


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 上智大学メディア投票研究会は26日までに、「沖縄の米軍基地問題をめぐる本土と沖縄の有権者の意識ギャップに関する研究」の速報結果をまとめた。県外では「沖縄経済が米軍基地に頼っている」との認識が強いことが分かった。

 調査は、18~79歳の県外800人・県内200人の有権者を対象に、今年4月24日から30日に実施した。調査対象は人口構成に基づき、年齢や出身地別に抽出した。

 米軍基地の縮小が沖縄の経済に与える影響として、県内有権者では経済が「良くなる」、「やや良くなる」との回答が半数を占めたが、県外有権者の44・5%は「悪くなる」「やや悪くなる」と答え、県外では沖縄の経済が米軍基地に頼っているとの認識が強いことが分かった。

 在日米軍基地が沖縄に集中していることに対する将来の対応では、県内では「全国に分散し、負担軽減を図るべき」(46・5%)との回答が最も多かったが、県外有権者は「沖縄県内で整理縮小すべき」(34・4%)との回答が最多で、県外と県内での認識に差があった。

 「全国に分散し、負担軽減を図るべき」と答えた県外有権者のうち、64・1%が自身の市区町村への在日米軍基地受け入れを「容認する」、「どちらかというと容認する」と答えた。

 本土のマス・メディアは沖縄の民意を正確に伝えているかとの問いに、県内外ともに7割以上が「あまり正確に伝えていると思えない」「全く正確に伝えているとは思えない」と答えた。

 調査を実施した同大学メディア・ジャーナリズム研究所の音好宏所長は「本土の人は沖縄の人たちが基地の存在によって苦労していることを漠然と理解はしている」と話した。一方、実態がうまく伝わっていないからこそ意識差が生まれていると指摘し「沖縄で起こっている現実を正確に伝えないといけない」と話した。