熱戦11回、KBCが制す 大城が無失点の力投 高校野球夏季大会


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普天間―KBC未来 二塁へけん制球を送るKBCリリーフの大城純一郎=26日、北谷町のアグレスタジアム北谷(大城直也撮影)

 高校野球の2020県夏季大会第9日は26日、準々決勝4試合を2球場で行い、4強が決まった。KBC未来―普天間は延長タイブレークにもつれ、十一回にKBC未来が3―2でサヨナラ勝ちした。準決勝は8月1日午前10時からタピックスタジアム名護で行われ、第1試合は日本ウェルネス―八重山、午後0時半開始予定の第2試合はKBC未来―美里工のカードとなる。決勝は2日午後1時から、同球場で行われる。

 実力は伯仲していた。強打のKBC未来に堅守の普天間。十一回までもつれ込む熱戦になった。

 KBCはエース・松竹嬉竜が終盤に制球が乱れ、七回に追い付かれる。なおも2死満塁で大城純一郎が登板。ゴロでピンチを脱すると、尻上がりに調子を上げて無失点で力投した。

 タイブレークの十回、大城が2走で出ると相手選手が「ナイスピッチング」と声を掛けてくれた。「良いチームだなあ」。素直にたたえてくれた姿勢に「相手も全力で来ているのが分かった。自分も後悔がないよう挑む」と誓い、延長は全部「直球で挑んだ」。

 KBCがスクイズを試みれば普天間が好フィールディングで阻止。普天間が出塁すると大城が後続を打ち取り進塁させない。緊迫する展開にプレーごとに両ベンチから感嘆の声が漏れた。最後はKBCがバッテリーエラーの間に3走の島袋桜が生還を果たし、サヨナラ勝ちで4強入りを決めた。

 試合後、大城は控えめな笑顔で「納得の行く内容ではない。最後は1本打って勝ちたかった」。敗れたチームの思いも受け止め、頂点へ駆け上がる。
 (上江洲真梨子)

普天間、勝利にあと一歩届かず

今大会初の先発で力投した普天間の呉屋碧海

 春季大会は負傷明けで登板できなかった普天間の呉屋碧海が今大会初の先発。緊張も加わり、立ち上がりの連続四球などで初回に2点を失うが、4回までを力投した。

 2、3回戦と同様に打線は終盤に追い付いて、普天間のいつもの「勝利パターン」になりつつあった。

 ただ、タイブレークに入ると三塁に進めてもあと1本が出ず。米須清徳監督は「選手たちはよく頑張った。すべては私の采配ミス」と選手をねぎらいつつ、自らを責めた。


普天間
 000 001 100 00 |
 200 000 000 01x|
KBC未来

(延長十一回タイブレーク)
(普)呉屋、玉城、比嘉、玉那覇、比嘉、玉那覇―新垣琉、伊覇
(K)松竹、大城純―喜多

 【評】双方とも好守で締まった展開。KBC未来に軍配が上がったが、拮抗(きっこう)していた。普天間は野手の好プレーが光った。ただ打線のエンジンがかかるのが遅く、勝利にはあと一歩届かず。