竹富町の波照間島では6月9日を最後にまとまった雨が降っておらず、サトウキビの干ばつ被害が広がっている。水分の蒸発を抑えるため葉が内側に巻かれる「ロール現象」が発生しているほか、株出しや夏植えが一部枯れ始めている。ため池に十分な水もなく、思うように散水もできない状況だという。波照間製糖の担当者は「ここまで雨が降らないのは約40年ぶり」とし、生育状況を懸念する。
沖縄気象台によると、6月は9日に101.5ミリの降水量があったものの、それ以降6.5ミリしか雨が降っていない。7月に入っても少雨傾向は続き、28日までで降水量は56.5ミリにとどまる。7月降水量の平年値は126.1ミリだが、届かない可能性が高い。今期の生産量は1万1900トンの見込みだったが、干ばつの影響で1万トンを割る可能性が高い。担当者は「春植えもあまり伸びていない。今後の状況が続けば生育に影響する」と話す。
与那国島でも干ばつ気味になっている。沖縄気象台によると7月の降水量は28日までで29.0ミリで、平年値の138.5ミリを大きく下回っている。与那国島では今期4500トンを計画しているが、少雨が続けば減収につながりかねない。
JAおきなわさとうきび振興部の担当者によると、現在は農家の希望を受けて、タンク車で散水作業を行っている。