2020年の沖縄観光客数、6割減400万人割れの見通し 23年ぶり低水準


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 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の下地芳郎会長は30日、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける2020年の入域観光客数の見通しを発表し、1千万人を突破した19年から61・5%(625万4千人)の大幅減となる391万人に落ち込むとの推計を示した。推計通りに年間の観光客数が400万人を割り込めば、1997年以来23年ぶりの水準となる。観光客数の減少に伴い、年間の観光消費額についても約5千億円近く減少すると予測した。

 今後の感染状況によっては、現時点で予約が残っている修学旅行や団体旅行についてもキャンセルが出る可能性があり、その場合は19年比64・1%減の365万人とさらに悪化する見込みを立てている。
 下地会長は「沖縄観光が始まって以来の急激な落ち込みだ。現状が続けば経営への影響は避けられない。融資の追加や返済猶予の延長など支援策が必要になる」と話した。
 19年の入域観光客数は過去最高の1016万3900人(国内客723万3900人、外国客293万人)を記録した。
 20年の推計は航空会社やホテルなどからの聞き取りを基に算出した。海外航空路線とクルーズ船は国内の感染拡大状況なども踏まえ、12月までは全便運休が続くと見通した。
 国内客について、沖縄観光のピークとなる8月も前年比55%減になると厳しい見方をしている。9月は4連休があり「Go To トラベル」の効果を期待していたが、前年より5割減となる見込み。
 既に20年上半期(1~6月)は前年同期比60・1%(298万3800人)減の198万400人の実績となっている。OCVBは9月以降の1カ月あたりの観光客が30万人台で推移し、さらに状況が悪化した場合は20万人台が続くと見ている。
 沖縄を含め全国で感染が拡大していることなどが影響し、直近の1~2週間で予約の動きが鈍化しているという。
 下地会長は「県内の感染者数が増加しており、マーケット側も慎重な動きをしている。沖縄観光の中心である夏場はまだまだ続く。早期に感染を抑えることでマーケットを呼び込みたい」と話した。