発熱者の検知21件 那覇空港のサーモグラフィ 「旅行者専用相談センター沖縄」運用状況


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
サーモグラフィーによる検温を実施中の那覇空港国内線到着口=5月

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は30日、那覇空港に県が設置し、OCVBが委託運営している「旅行者専用相談センター沖縄(TACO)」の運用状況を報告した。

 開所した6月19日以降、サーモグラフィーで37・5度以上の発熱者を検知したのは21件で、再検温や問診を経て、感染の有無を調べる検査の必要があると判断されたのは2件だった。1件は空港で抗原検査を実施して陰性となったが、もう1件は北部での受診を希望したため移動を促したが、結局受診には至らなかったという。

 サーモグラフィーで発熱を検知したが、問診を拒否されたのも1件あった。

 発熱者に検査を強制することはできないため、発熱者が問診を受けずに空港から出て行く事例が課題となっている。県は発熱者の足止めをしやすいように、空港のサーモグラフィーを到着口の外から中に移動させ調整を進めている。

 また、今月23~26日の4連休中は30分ほどで結果が判明する抗原検査を実施していたが、医師が確保できなくなったことから再びPCR検査に戻っている。PCR検査は結果が判明するのに1~2日かかるため、観光客の協力も得にくいことが予想される。

 下地会長は「県内の感染者増加を懸念している。空港検査体制の充実や人員強化を急ぎたい」と話した。

 TACOは看護師2人、事務スタッフ1人で運営しているが、8月から事務スタッフを2人態勢に増やす。ただ、OCVBの職員が勤務後にTACOの事務スタッフに回るなど人員不足も課題で、県内の観光関連企業に協力を呼び掛け、現時点で沖縄ツーリストの職員1人を確保している。