県系人も憎悪事件被害 カリフォルニア コロナ拡大で偏見【アメリカ】


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カリフォルニア州選出の民主党下院議員で、沖縄生まれのアル・ムラツチ氏

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、カリフォルニア州ロサンゼルスの隣接都市トーランスで、アジア系の住民に対して人種的攻撃が頻繁に行われるようになり、問題化している。「コロナは貴様らのせいだ」と車の中からののしったり「この国から出て行け、自分の国に帰れ」と言われたりするなど、被害が報告されている。

 トーランス地域のウイルソン・パークやデルアモ・ファッション・センターで、アジア系米国人がののしられたり、殴打されたりしたことに対して、軽犯罪で立件されたケースもあった。被害者の中には、北米沖縄県人会の会員もいたことが報告されている。

 カリフォルニア州ではアジア系というだけで偏見の標的にされている。新型コロナの大流行が始まって以来、憎悪事件が13週間で800件以上発生、平均して1日10件が起きているようだ。6月16日には日本料理の調理用具専門店のドアに憎悪の手紙が張られていた例もある。

 トーランスを含むサウスベイ地域選出の民主党アル・ムラツチ議員と、サンフランシスコ選出の民主党デビッド・チウ議員がこの問題に関する討議に加わった。

 ムラツチ議員は「どんな人種差別も容認できないというメッセージを送る必要がある。トーランスの検察官や警察と話したい」と強調したと、メディアが報じた。

(当銘貞夫通信員)