「訴えに一切触れず」 玉城知事、訴訟進行に疑問 辺野古抗告訴訟結審


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玉城デニー知事=3日、県庁

 名護市辺野古の新基地建設について国を相手に起こした抗告訴訟が結審したことについて、玉城デニー知事は3日、報道陣の取材に「我々が訴えている中身に一切触れていない」と語り、審理が不十分との認識を示した。異例の早期結審に対し、このまま判決を迎えれば「国と県の対等な立場、地方自治体の救済措置があるのか否かについても、疑問を持たざるを得ない」と指摘した。

 県は追加の書面で裁判所に弁論の再開を要求する方針だ。主張の内容はこれから弁護団と調整の上で検討するとしつつ「地方自治体の主体性が求められるように県の正当性を主張したい」と強調した。

 県弁護団の加藤裕弁護士は厳しい表情を崩さなかった。軟弱地盤の問題など、実質的な審理についての弁論に至らずに結審したことで厳しい判決も予想される。訴えの正当性を補完する専門家の意見書を提出する意向を示し「弁論再開を求めていく」と述べるにとどめた。