宿泊キャンセル3万2653人 年内損失3億超 沖縄県ホテル組合調査 


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 県ホテル旅館生活衛生同業組合(宮里一郎理事長)は7日までに、県内ホテルのキャンセル状況について調査結果をまとめた。県独自の緊急事態宣言が発令された7月31日から今月3日までの4日間だけで、県内48施設の年内の予約について3万2653人のキャンセルが出ている。キャンセルに伴う損失額は総額3億3367万円に上る。

 このうち修学旅行は38件で5028人分のキャンセルが出ており、総額4797万円の影響となっている。宿泊予約の低迷やキャンセルにより、客室稼働率が10%台まで落ち込むホテルも出てきている。

 調査によると、組合加盟施設の7月の平均客室稼働率(55施設)は37・6%だった。前年同月の73・5%に比べて大きく落ち込んでいるものの、5、6月よりは回復傾向にあった。だが県内での新型コロナウイルスの感染再拡大により、8月に入って状況が悪化している。

 今年春に開催予定だった修学旅行は9月以降に振り替えとなっていたが、それらもキャンセルになり始めている。1校で数百人単位の予約となる修学旅行のキャンセルは、ホテルにとって痛手となる。

 2021年1月以降の予約についても既に469人、447万円のキャンセルが出ている。調査以後も県内ホテルではキャンセルが続いており、さらに悪化している可能性がある。

 調査に回答した施設からは「(キャンセルは)もっと増えると思う」「『緊急事態宣言』という表現では、キャンセル料を取ることもできない」など悲痛な声が上がった。

 要望では、消毒液や体温計など感染対策に必要な費用を継続的に支援することを求める意見があった。収入が見込めない中でも感染対策にコストをかける必要があり、経営の負担となっているという。長期化する経営悪化に対する経営支援を求める声もあった。