那覇市安謝の特別養護老人ホームで7人の感染が明らかになったことに、県内の高齢者施設の関係者に警戒感と緊張感が高まっている。慢性的な人手不足にあえぐ介護現場は、職員への感染が増えれば、施設運営が厳しくなることへの懸念も出ている。
特養施設ではベッドからの抱き起こしや、おむつ交換といった体に触れる介護を必要とする。県外で相次いだ介護施設でのクラスターは、こうした身体接触が避けられないケアが一因だったと指摘されている。
特養とデイサービスを運営する県老人福祉施設協議会の金城武会長は「恐れていた事態が起きた。特養の入所者は入退院を繰り返している。病院でクラスターが発生しているなら、入所者が感染してもおかしくない。今は感染防止対策を強化していくしかない」と語る。那覇での事例を受け、運営する施設では、退院した入所者は他の入所者と部屋を別にし、1週間様子を見ているという。
本島北部の施設は7月の県の緊急事態宣言後、面会禁止を徹底している。関係者は「感染防止策は、外部や体調不良の人を近づけないことに尽きる」と語った。