県医師会は8日、那覇市松山地域の飲食店従業員らを対象にした新型コロナウイルスのPCR検査で、結果が確定した2064人のうち86人が陽性だったと発表した。重症者はいない。全体の陽性率は4・2%だった。松山地域はこれまでに接待を伴う2店舗で36人が感染するクラスター(感染者集団)が確認されていた。
PCR検査は、1、2日に那覇市や県医師会などが、同市若狭の那覇港大型旅客船バースで実施した。2064人のうち、感染が確認されたのは10代6人、20代41人、30代25人、40代9人、50代2人、60代3人と、若い世代で陽性率が高い傾向がみられた。県医師会によると、松山地域の9店舗でそれぞれ複数人の感染が確認された。クラスターの発生が確認されている2店舗のうち1店舗がその中に含まれる。
田名毅常任理事は、陽性者のうち多くは接待を伴う店舗の関係者であると指摘する一方で、飲食店や理容店など接待を伴わない店舗でも感染が確認されていると明らかにした。「接待に限らず、感染の広がりが出てきていると実感している」との認識を示した。
また、県外から松山地域の店舗に観光や仕事で訪れた人との接触を感染拡大の要因の一つとして挙げた。県独自の緊急事態宣言に伴い、松山地域の一部店舗には休業要請が出ている。県医師会は「今後、店舗が営業を継続できるような体制が必要だ」とし、感染対策で協力していく方針を示した。