新型コロナウイルス感染症の再拡大を受け、年内に予定されるイベント開催の可否について関係者が頭を痛めている。産業振興関連のイベント中止は経済への影響が大きく、規模の縮小や開催方法を変更しての開催を目指している。ただ、多くの団体で構成する実行委員会形式のイベントは、コロナの感染防止対策の中で委員会を開くことが難航するという状況がある。
10月に予定されている県内最大の産業イベント「第44回沖縄の産業まつり」は、今月11日に実行委員会の会議を開き、開催するかどうかを最終決定する。完全に中止ではなく、オンライン開催との共催や分散開催など方法を見直すことも検討されている。
事務局の県工業連合会は「最終的には実行委員会の議論次第だが、奥武山公園で例年の規模での開催は難しいだろう」と話す。
同じ奥武山公園を会場に例年11月に開催する離島フェアは、2019年は3日間で13万6千人を動員した。今年は現段階で開催するかが決まっていない。玉城デニー知事が沖縄本島と離島との間の移動を必要最小限とするよう求めていることもあり、離島の市町村長らを集めることができず、実行委員会を開くめども立っていないという。
来年10月の開催を発表している第7回世界のウチナーンチュ大会だが、事務局を務める県によると、実行委員会で予定通りに開催ができるかを改めて諮る予定だという。開催まで1年以上あるが、県は「世界から集まるイベントなので、遅くとも1年前になる今年10月までに詳細を決めたい」としている。だが、新型コロナの影響で県内市町村や経済界など約140人からなる実行委員を招集するめどがついていないという。県は「委員が集まれない状態が続くようなら、招集以外の方法を考える必要が出てくるだろう」と対応を模索する。
沖縄での初開催が決まった「ツーリズムEXPOジャパン2020」(10月29日~11月1日)は、当初の600社から450社に出展企業を縮小した上で開催を予定する。会場の宜野湾市の沖縄コンベンションセンターなどでは事前登録制や時間制限を設けて来場者数をコントロールし、オンライン商談も取り入れる。担当者は「感染対策を徹底する。大変だが、乗り越えないとウィズコロナの中で展示会はできない」と話した。オキナワベンチャーマーケットは国内外から企業が集まる展示交流会で、19年は150社が参加した。今年は全業種が一堂に会する従来の形ではなく、業種別に2回に分けて開催する方式を検討している。ウェブ開催はせず、規模を絞って対面式を続ける方針だ。
髙山征嗣事務局長は「ウェブ商談はクロージング(契約締結)までうまくつながらないことが多く、少人数でも対面形式で開催したい。ただ、告知やスポンサーへの協力依頼が難しく悩んでいる」と話した。