沖縄観光コンベンションビューローがまとめた2020年度の修学旅行の調査によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響による取りやめで、県外から沖縄を訪れる修学旅行は当初の予定から174校、計6295人の減少になっている。7月7日時点の集計のため、その後の全国的な感染拡大や県独自の緊急事態宣言の発令でキャンセルが続出しており、状況はさらに悪化している。
集計は修学旅行を取り扱う旅行社15社に調査し、13社から回答を得た。県と沖縄観光コンベンションビューローが12日に観光関係者を集めて開いた修学旅行推進協議会で報告した。
会議に参加した観光関係者は「県外や海外に行けなくなった県内の学校を新たな需要として取り込むなど、新しい方策を考えないといけない」と話した。
当初は20年度に2318校、計41万6050人が沖縄での修学旅行を予定していた。7月までのキャンセルなどで学校数は7・5%減の2144校、人数は1・5%減の計40万9755人となっている。
沖縄での修学旅行を中止した学校が522校あった一方で、海外を予定した修学旅行を沖縄に方面変更した学校も226校あった。延期して実施日を振り替えた学校もある。そうした修学旅行の予約が残っているものの、今後の感染拡大状況によって直前に中止となる場合もあり、実施日が近づくまで確定できない部分があるという。
県ホテル旅館生活衛生同業組合の8月7日の緊急調査では、県独自の緊急事態宣言が発令された後の4日間に、県内48施設だけでも38校、計5028人の修学旅行のキャンセルが出ている。ある那覇市内のホテルでは、10校ほど入っていた9月の修学旅行が全て延期や中止になった。10~12月の予約も、キャンセルが出始めているという。
12日の修学旅行推進協議会の会議では、修学旅行受け入れのための感染防止対策を強化し、対策をアピールすべきだとの意見などが出た。