免税店運営の沖縄ディーエフエス(沖縄DFS、那覇市)は18日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う業績の低迷を受けて3月と7月に希望退職者を募り、合計で約180人の従業員が退職に応じたことを明らかにした。それまでの従業員数約400人は半分に減少する。那覇空港国内線ターミナルの免税店、那覇市おもろまちのTギャラリア沖縄byDFSは営業を続けており、同社は「沖縄からの撤退や店舗閉鎖は全く考えていない」としている。
小川光永社長は8月末で退任する。後任には沖縄ディーエフエスマネージング・ディレクターのリチャード・グスタフソン氏(48)が内定している。今後、株主総会を経て正式に決定する。
新型コロナの感染拡大に伴う航空便の減少などで、主要な利用客である国内外の観光客が激減し、免税店は業績が悪化している。世界的な観光回復の見通しが立たないことなどから、DFSは新たに退職一時金を付与する「プレミアム退職一時金制度」を創設した。3月に希望者を募ったところ50人が退職を希望した。
7月に再度、希望退職の募集をかけ、9月末までに新たに130人が退職する予定となっている。グスタフソン氏は「今後、どれぐらいの早さで市場が回復するか分からない。後々、選択肢がない状況になる可能性があることからすれば、希望者が手を上げて辞められるうちにチャンスを作った。あくまで本人の意思を尊重している」と話した。
180人の退職で従業員数は半減するが業務を維持できる人員数だという。今後の業績回復の状況次第で、退職した社員の再雇用や新規採用も検討する。
沖縄DFSは1998年の沖縄振興特別措置法の改正で設立された「沖縄型特定免税店制度」を活用しており、外国客に加えて国内線の利用者も免税価格で商品を購入できる。
2002年から那覇空港内で免税店を運営し、04年には国内初の空港外大型免税店DFSギャラリア・沖縄(現・Tギャラリア沖縄byDFS)をおもろまちに開業した。今年に入り新型コロナウイルスの影響で観光客が激減。4月から約2カ月間休業していた。6月20日に営業を再開したが、出勤者の数を限定する休業体制は続いているという。