沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は26日、2020年の入域観光客の見通しを、7月末の発表からさらに約30万人下方修正し、前年比61・5%減の361万人になると発表した。観光消費額は19年の7483億円から4940億円減少すると見通した。国内旅行の喚起策「Go To トラベル」が始まったものの、全国的な感染拡大や県独自の緊急事態宣言を受けて予想していたよりも効果が乏しいという。
下地会長は「観光業界だけでなく、幅広い産業に影響が出てくる。雇用への影響や経営の継続が問題になってくる」と危機感を示した。
推計は、今後Go Toの利用が増え、予約済みの団体旅行や修学旅行が予定通り実施された場合を想定している。仮に秋以降に再び感染が拡大した場合は、同66・8%減の337万人、消費額は5110億円減とさらに悪化する予測だ。最盛期の8月の入域客については、7月末時点の推計では前年の45%程度になると予想していたが、県独自の緊急事態宣言発令の影響などで同30%に下方修正した。
9月も団体旅行や修学旅行のキャンセルが発生しており、入域客は同55%から同35%と大幅に下方修正した。各航空会社も9月末まで減便を発表している。修学旅行は10月以降の予約にも延期やキャンセルが生じている。
国内需要の獲得に苦戦する中で、観光業界からは、県内旅行喚起策「おきなわ彩発見キャンペーン」の第3弾を強く要望する声が上がっている。OCVBは、彩発見の追加実施を県に申し入れているほかGo Toを21年度まで実施するよう国に求めている。
下地会長は「企業の経営体力は相当弱っている。行政による支援策の継続と同時に、金融機関などからの支援も強化していかないといけない」と話した。