辺野古工事伴うサンゴ移植は「成功」 防衛省、市民団体へ説明


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名護市辺野古の新基地建設について、防衛省の担当者(手前)に環境調査などを求める市民団体のメンバーら=21日午後、国会内

 【東京】沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、日本自然保護協会など市民団体は21日、国会内で防衛省の担当者に対し工事停止や環境調査の実施を求めた。同省は有識者でつくる「環境監視等委員会」で指導や助言が得られているとし、環境調査の手法を見直す考えはないとの立場を説明。移植されたオキナワハマサンゴ9群体のうち3群体が死滅したことを問われても、一部で幼生の放出が確認されたとして「移植は成功している」「失敗とは認識していない」と強調した。

 辺野古の工事現場周辺では今年2月以降、ジュゴンとみられる鳴き声が確認されている。市民団体側はドローンなどによる生息調査を求めたが、防衛省の担当者は、現行の調査に「問題はない」とした。

 米国のNGOが昨年10月、世界的に重要な海域を認定する「ホープスポット」に大浦湾一帯を選んだことを受け、今年2月までに集まった、工事の一時停止と再度の環境調査を求める署名2万4235筆も防衛省の担当者に提出された。